箱根の何気ない瞬間をとらえた写真を連載で紹介しているフォトコラム
“写真家tsukaoがキリトル、五感が潤う小さな旅「箱根の女子時間」”。
同コラムでは、箱根のさまざまなスポットを旅するように周りながら
撮影したみずみずしく鮮やかな写真の数々を発信しています。
本企画では、Instagramとも連動して人気を集めているこのコラムの
撮影スポットと、撮影のポイントをご紹介。
撮影を手がけた写真家tsukaoさんが考える箱根の魅力についても伺ってみました。
いつでも賑わいを見せる箱根湯本のメインストリートから、一本裏手に入ったところに流れる早川にかかる橋。
朱色に塗られた欄干が箱根らしい情緒を感じさせ、インスタ映えすること間違いなし!早川や川沿いの植物とのコントラストが、写真をぐっと鮮やかにしてくれる。
付近には人力車も待機しているから、それに乗りながら撮影するのもおすすめ。
写真上/箱根ではあまりイメージがないかもしれない人力車も、旅情を引き出す被写体として良い仕事をしてくれる。
写真下/橋の欄干をぼかしながら、まわりの風景も入れてかわいらしい色合いの箱根登山電車をパチリ。
箱根登山ケーブルカー/箱根ロープウェイ早雲山駅をベースに営業する移動型カフェ。アメリカ製のトラベル・トレーラー「エアストリーム」を使った店舗は、どこもかしこもフォトジェニック!
注文ごとにハンドドリップした、こだわりのコーヒーをのんびり味わいたい。
tsukaoさんも「箱根の新たな一面を感じる穴場スポット。箱根の景色を見下ろしながら飲むコーヒーは最高でした」と絶賛。
CAFE Ryusenkeiのマスターが箱根の魅力を教える本ウェブマガジンのインタビューもチェックして。
写真上/メニューと1杯のコーヒーでさえも絵になるこだわりの空間。
写真下/北欧テイストのインテリアでセンスよくまとめられた店内には、ほどよく落ち着ける雰囲気が漂う。
CAFE Ryusenkei
移動型のため、営業場所や営業時間は時期により異なる。
営業情報は、CAFE Ryusenkeiの公式ツイッター(https://twitter.com/cafe_ryusenkei_)、公式フェイスブックページ(https://www.facebook.com/CAFE-Ryusenkei-470394443041714/)などで確認できる。
日本一の急勾配を登る箱根登山電車からの風景は、インスタ映え間違いなし!
谷幅およそ60メートル、深さおよそ43メートルの早川の渓谷にかかる“出山鉄橋(早川橋梁)”や、珍しい“スイッチバック”など、撮影ポイントがたくさん。
初夏(6月上旬〜7月下旬)に咲き乱れるアジサイは、あまりにも有名。車両の種類もさまざまだから、気に入った色や柄の電車を探してみるのも楽しい。ちなみに、水色が美しいこの写真の「110号」は、2017年2月12日で引退してしまうそう。
「乗り物に乗りながら撮る写真は、流れていく景色そのものを楽しんでみてください。一瞬しか撮れない景色の連続だから、迷わずシャッターを切るのがポイントです」(tsukaoさん)。
写真上/引退間近の110号。通常は赤色の車体が多い箱根登山電車だが、引退を前に昭和20年代後半の塗装に塗り替えられている。
写真下/一番前の車両に乗って、単線ならではの写真を撮影するのも面白い。
箱根の魅力を語るうえで欠かせないのが、豊かな自然。川や滝があったり、森林や花などの植物にあふれていたり……、散策するたびに心を奪われてしまいそう。
そのときそのときの自分のアンテナにヒットした景色をフレームに収めれば、とっておきの旅の想い出になること間違いなし。
四季ごとにさまざまな表情で楽しませてくれるから、お気に入りの撮影スポットを決めておいて、訪れるたびに変化する様子を写真に収めるのも◎。
あまり知られてはいないが、ゴールデンウィーク前後からは新緑がキラキラと輝き、とても美しいおすすめの季節。混雑もゴールデンウィークに比べると落ち着いてくる時期なので、未経験の人はぜひチェックして。
写真上/せっかくの旅行、雨だからといってがっかりしないで。雨の時には雨の時にしか撮れない、インスタ映えする光景も。
写真下/都心からわずか2時間なのに、こんなに雄大な自然が広がっているのも箱根の魅力。
広大なスペースに彫刻が点在し、初心者でも簡単にインスタ映えする写真が撮れる穴場的スポット。多彩なアーティストによる彫刻作品と自然との調和も見事で、普段とは違う感性を刺激されながらシャッターを切ると、さらにドラマチックな写真に。
「リラックスして、いいなと感じたものを自然に撮影する。そのときの気分を反映したものこそが、旅の写真の魅力だと思います」(tsukaoさん)。
写真上/とても大きなステンドグラスの塔“シンフォニー彫刻”は、中に入ることができる。螺旋階段を上って展望台に出る途中、光の加減で表情が変わる、キラキラとしたステンドグラスをキリトってみて。
写真下/子供たちが中に入って遊ぶことができるプレイスカルプチャー(遊戯彫刻)、“しゃぼん玉のお城”。小学生以下の子供しか入って遊ぶことはできないが、不思議な形のアート作品は、どこからキリトっても絵になりそう。
早雲山駅・桃源台駅で標高700m以上、大涌谷駅では標高1,044mにもなる、箱根屈指の絶景スポット。
空から見下ろす芦ノ湖や大涌谷の迫力ある谷底など、めまぐるしく変わる景色を楽しめる。晴れた日に望むことができる富士山は、出会えたらマストで撮影したい。
「もくもくと煙が立ち上る大涌谷の風景は、まさに箱根ならではのもの。ロープウェイのスピードが早いので構図がナナメになったりすることもありますが、それも旅写真の醍醐味です」(tsukaoさん)。
写真上/ロープウェイのゴンドラの赤色と、大涌谷の茶色のコントラストが新鮮。普段よく見る写真と同じ組み合わせではなく、自分の感性でキリトルと面白い写真が撮れることも多い。
写真下/季節によって車窓から見られる景色も変わる。四季ごとに訪れて、お気に入りの風景を見つけたい。
国登録有形文化財建造物の「迎賓館」を生かした鉄板焼レストラン。
建築当時の姿を残した梁や柱からは、悠久の時の流れと歴史の趣を感じることができる。シェフの鮮やかな手さばきをスマホで撮影するときは、邪魔にならないよう注意しながらギリギリまで接写して。
美しい建物の背景をバックに撮影すれば、肉汁したたる雰囲気もアップすること間違いなし。
こだわりの松阪牛や旬の魚介、野菜などをふんだんに使った料理はどれもおいしく、tsukaoさんも「箱根に行ったら、また絶対に食べたい!」と絶賛。
写真上/国登録有形文化財建造物というだけあって、建物はどこをキリトってもフォトジェニック。
写真下/カウンターでいただく鉄板焼ならではの写真撮影にもチャレンジしてみて。
言わずと知れた箱根の名所。
広大な湖の近辺には、箱根神社やたくさんの自然、遊覧船など撮影スポットが満載!
気をつけたいのは、見たことのあるような写真を撮らないこと。
「ポストカードみたいな定番写真は、ポストカードを買えば充分(笑)。自分の心が動いた瞬間にシャッターを切るということを意識していさえすれば、とっておきの1枚が撮れると思います」(tsukaoさん)
写真上/心が動いた瞬間にシャッターを切って。
写真下/出会いがなければ撮影できない、偶然の一枚が撮れるのも旅写真の醍醐味。
tsukaoさんが語る、箱根の魅力とは?
春は桜、初夏はアジサイ、秋は紅葉、冬は雪景色。
箱根は、時季ごとにいろいろな表情が楽しめるし、どのシーズンでもキレイな写真が撮れるのが魅力だと思います。「箱根の女子時間」の撮影で伺った秋口も、予想していた以上にたくさんの魅力的な瞬間があって楽しかったです!
個人的におすすめなのは、桜の花も散ったゴールデンウィーク直前。あちこちで緑が一斉に芽吹いてきて、新緑がまぶしいくらいなんです。
また近いうちに、箱根の写真を撮りに出かけたいと思います。
神戸出身。神戸大学在学中、写真部に所属。
卒業後、写真家の菅原一剛氏に師事。2006年独立。
広告、雑誌、書籍、音楽、CMなどのジャンルで幅広く活動中。
2015年 8年間かけて世界のさまざまな場所で撮影した旅の写真集「ALL L / Right」(リブロアルテ)を出版。
見えないけれどそこに感じる大切な“何か”を撮り続けている。
※すべての施設の情報は2017年1月20日時点のものです